AIへWordPress作業を任せる前に、変更範囲と停止条件を決める

AI 07 変更範囲・対象外・停止条件を三つの段階で表したアイキャッチ

AIへWordPress作業を任せるとき、目的だけを伝えても、どこまで変更してよいかは決まりません。「この記事を作る」という依頼でも、既存記事の修正、カテゴリーの追加、テーマの調整まで含むのかによって作業範囲は大きく変わります。

MANIARUでは、作業指示書へ「今回変更するもの」「変更しないもの」「止まる条件」を先に書くようにしました。この記事では、WordPress作業を必要な範囲へ収めるために決めた境界を整理します。

目的だけでは変更範囲が決まらない

「記事を読みやすくする」という目的には、複数の方法があります。本文を書き直す、画像を足す、CSSを変える、テーマを変更する。どれも目的にはつながりますが、依頼者が望んでいる範囲とは限りません。

そこで、目的と作業対象を分けました。

項目答えること例
目的何を完成させるか新しい記事を一件公開する
対象何を変更するか新規投稿、アイキャッチ、個別SEO設定
対象外何を変更しないか既存記事、テーマ、プラグイン、全体設定
停止条件どの状態で進めないか事実不足、重複、正式素材不足
完了条件どこまで確認したら終わりか公開後にPCとスマートフォンで確認する

目的が同じでも、対象と対象外が違えば、実行する作業は変わります。最初に範囲を書くことで、よさそうに見える追加変更を広げずに済みます。

変更してよいものを具体的に書く

「記事制作だけ」と書くより、完成に必要な項目を並べる方が判断しやすくなりました。MANIARUの記事制作では、依頼に応じて次のように書きます。

  • 本文を作成する
  • 既存ルールに合うカテゴリーとslugを設定する
  • 必要なアイキャッチを作成または既存素材から選ぶ
  • 個別のmeta descriptionとOGP画像を設定する
  • コメントを停止し、タグは必要な場合だけ使う
  • プレビューを確認し、許可後に公開する
  • 公開URLで表示と設定を確認する

この一覧は、AIが行う操作を増やすためではありません。目的を達成するために必要な作業を、最初に見える形へするためのものです。

変更しないものも同じ強さで書く

対象だけを書いた場合、関連する設定を整えることが「必要な改善」と判断される可能性があります。そこで、触らない範囲も指示書へ明記します。

  • 既存記事や固定ページを修正しない
  • カテゴリー構造そのものを変更しない
  • テーマやプラグインを追加・削除・更新しない
  • サイト全体のCSSやSEO設定を変更しない
  • SNS、アクセス解析、セキュリティ設定へ触れない
  • 依頼と関係のない整理やリファクタリングを行わない

「変更しない」は、サイトを改善しないという意味ではありません。今回の作業と別の改善を混ぜず、必要なら別の依頼として確認できる状態にするためです。

停止条件は、判断できない状態を具体化する

範囲を決めても、資料が足りない場合や既存内容と重なる場合があります。何でも確認待ちにすると作業が進みませんが、推測で埋めると誤った内容を公開する可能性があります。

そこで、「迷ったら止まる」ではなく、止まる状態を具体的にしました。

  • 指示書の番号、対象、記事名に重大な不一致がある
  • 実質的に同じ記事や設定がすでに存在する
  • 実体験として書くための事実を確認できない
  • 正式な画像やロゴが必要だが、利用できる素材がない
  • 依頼内容を満たすために、明記された対象外の変更が必要になる
  • 公開する完成状態を作れず、人が内容を確認できない

一方、確認できない一文があるだけで、すべてを止める必要はありません。その一文を省き、本文、画像、WordPress設定など影響しない作業を進められる場合は、公開直前まで整えます。

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停止と保留を分ける

実際の作業では、「全体を止める」と「一部を保留する」を分けることが大切でした。

状態進め方
対象そのものが違う本作業へ進まない
同じ成果物がすでにある重複作成せず、既存状態を報告する
一部の事実だけ確認できない創作せず、その記述を省く
使用できる画像がない画像を無理に入れず、指示に従って本文を進める
公開判断だけが残っているプレビューまで整え、公開直前で確認する

止める条件を増やすのではなく、独立して進められる作業を見分けるための区別です。

完了条件を操作ではなく結果で書く

「WordPressへ入力する」だけでは、保存されたか、公開ページに表示されたかは分かりません。完了条件は、操作名ではなく確認できる結果として書きます。

  1. タイトル、本文、見出しがプレビューへ表示される
  2. カテゴリー、slug、著者、コメント設定が正しい
  3. アイキャッチとOGP画像が同じ正式画像になっている
  4. meta descriptionが出力される
  5. 内部リンクが目的のページを指している
  6. PCとスマートフォンで横にはみ出さない
  7. 公開後のURLで同じ内容を確認できる

この形なら、「設定した」という報告だけで終わらず、依頼した成果が使える状態かを確認できます。

三つの境界を指示書へ入れる

MANIARUのWordPress作業では、指示書へ次の三つを入れるようにしました。

変更してよい範囲
        ↓
変更しない範囲
        ↓
停止条件と完了条件

これにより、AIは依頼された場所では具体的に動き、関係のない場所へ変更を広げず、判断できない事実を創作せずに進めやすくなりました。

名前や重複を作業前に確認する方法は、AI 03「AIに作業を任せる前に確認する。名前チェックと重複チェックを入れてみた」でまとめています。AIと人の役割分担、公開直前の確認については、AI 06「AIに任せる作業と、人が確認する作業を分ける」へ分けました。

今回の中心は、誰が判断するかではなく、作業を始める前にどこまで変更し、どの状態で止まり、何をもって完了とするかを決めることです。範囲を狭くするためではなく、依頼した一件を最後まで具体的に仕上げるための境界になりました。

シリーズの目次:AIに作業を任せるときの決まり(このテーマの記事を、読む順に並べています)