WordPressで「投稿→確認→完了」を業務フローにする。状態をつなげた考え方

WordPressの投稿を発行、対象決定、確認、完了、記録へつなげる業務フロー

WordPressの社内ポータルに投稿、コメント、検索を用意しても、それだけでは「誰が確認し、いつ終わったか」まではつながりません。

実際の運用では、管理担当者が文書を発行し、対象者が確認し、必要な確認がそろったら完了します。未完了の文書はHOMEに残し、完了後は入口から外しつつ記録は残す形にしました。

この記事では個別画面の制作手順ではなく、WordPressの投稿を「発行→対象決定→確認→完了」という業務フローへ変えた考え方を整理します。

機能があっても、次の人へ渡らなかった

最初のポータルには、記事を投稿し、カテゴリーで整理し、コメントでやり取りする基本機能がありました。しかし、業務文書として使うと、別の情報が必要になります。

  • 誰が発行できるのか
  • 誰が確認する文書なのか
  • 誰が確認済みで、誰が未確認か
  • 何をもって完了とするか
  • 完了した文書をどこへ残すか

通常の「公開済み」という投稿状態だけでは、これらを表せません。そこで、投稿の公開とは別に、業務上の状態をつなげました。

一つの文書が進む流れを先に決める

実装前に、利用者が経験する流れを次の5段階にしました。

  1. 発行:権限のある担当者が文書を公開する
  2. 対象決定:その時点で確認すべき利用者を保存する
  3. 確認:対象者が文書を読み、確認済みを記録する
  4. 完了:必要な確認がそろったか判定する
  5. 整理:完了した文書をHOMEから外し、一覧には残す

画面ごとに機能を考えるのではなく、一つの投稿が最後までどう進むかを先に置きました。これにより、発行フォーム、詳細画面、HOME、カテゴリー一覧の役割を決めやすくなります。

通常の投稿を「発行」へ変える

業務文書では、一般的な記事タイトルと本文を毎回入力するより、文書の種類に合う専用フォームの方が扱いやすい場面がありました。

たとえば、タイトル、文書番号、参照先URL、PDFなど、文書ごとに必要な項目を用意します。「投稿」ではなく「発行」と表示し、必須項目が足りない場合は実行できないようにしました。

発行UIは、権限のある管理担当者だけに表示します。ボタンを隠すだけでなく、保存処理側でも権限を確認する前提です。

発行すると、WordPressの投稿が作られます。同時に、確認対象など業務に必要な追加情報を投稿メタへ保存します。投稿メタは、一つの投稿へひも付けて独自の値を保存するWordPressの仕組みです。

確認対象は「今」ではなく「発行時点」で固定する

最初は、確認画面を開くたびに、現在登録されている利用者と所属グループから対象者を計算していました。

この方法では、文書を発行した後に新しい利用者を追加すると、過去文書の確認対象まで増えます。発行当時にはいなかった人が、未確認者として表示される問題です。

そこで、発行時点の対象ユーザーIDを投稿メタへ保存し、それ以降は保存済みの一覧を使う形へ変更しました。

方式過去文書への影響
画面を開くたび現在ユーザーから計算利用者追加で対象が変わる
発行時点のユーザーIDを保存発行後も対象が変わらない

業務フローでは、「現在の組織状態」だけでなく、「その文書が発行された時点の状態」を残す必要があると分かりました。

確認済みを投稿へ積み上げる

対象者が文書を開くと、自分が確認対象かどうかと、現在の確認状況が分かります。確認操作を行った利用者は確認済みとして記録します。

利用者ごとの確認だけでなく、チーム単位で確認状況を見る文書もありました。その場合も、文書種別ごとに対象の決め方を変え、必要な確認がそろったかを同じ流れで判定します。

重要なのは、確認ボタン単体を作ることではありません。発行時に保存した対象と、実際に確認した利用者を比較し、残りがいるか判断できることです。

未完了はHOMEへ残し、完了後は入口から外す

HOMEには、対応が必要な未完了文書を表示します。新着5件のような件数制限は使いませんでした。新しい文書が増えても、古い未確認文書が押し出されないようにするためです。

必要な確認がそろうと、その投稿はHOMEカードから外れます。ただし、投稿自体は削除しません。カテゴリー一覧や検索から、過去の記録として確認できます。

  • 未完了:件数に関係なくHOMEへ残す
  • 完了:HOMEから外す
  • 記録:投稿は一覧と検索へ残す

「完了したので削除する」のではなく、「今見る入口から外し、履歴として残す」と考えました。

各画面の役割をつなぐ

この仕組みは、一つの画面だけでは成立しません。利用者が進む順番に、各画面へ役割を持たせました。

場所役割
専用発行フォーム文書を作り、発行時点の対象を保存する
HOME未完了の文書を見つける
詳細画面内容と確認状況を見て、確認する
カテゴリー一覧・検索完了後を含む記録を探す

HOMEは全投稿を保存する場所ではなく、現在行動が必要なものへの入口です。記録を残す役割は、投稿と一覧・検索が受け持ちます。

業務フローとして確認したこと

実装後は、機能を個別に押すだけでなく、一つの検証用文書を最後まで進めました。

  1. 権限のある利用者だけに発行UIが見える
  2. 必須項目がない場合は発行できない
  3. 発行時点の確認対象が保存される
  4. 対象者の確認が状況表示へ反映される
  5. 未完了の間はHOMEに残る
  6. 必要な確認がそろうとHOMEから外れる
  7. 完了後もカテゴリー一覧と検索から開ける

途中だけでなく、完了後の記録まで確認して、業務フローが一周したと判断しました。

投稿を状態の受け渡しとして考える

WordPressで業務フローを作るとき、特別な機能を多く並べることより、次の人へ何を渡すかが重要でした。

発行時点の対象を固定し、確認を積み上げ、完了したら入口だけを整理する。

この流れにより、投稿は単なるお知らせから、誰が次に行動するかを持つ記録へ変わりました。実際のPROJECTで業務フローへ育てた時系列は、社内ポータルに業務フローを作った記録でまとめています。